マーチンゲール法などの追い上げ手法を使って、競馬で長期に渡って勝ち続けるのは、実際にやってみた事がある人なら、その難しさはわかるよね。
ちなみにマーチンゲールには3つの越えられない壁があって、それについては追い上げ競馬の攻略で詳しく語られているので、そちらを参考にしてみて。
今まで投資競馬を研究してきたわしは、どうにかマーチンゲールなどのベッティング手法を、上手く活用する方法は無いかと考えたんだよね。
もくじ
マーチンゲールでも勝ちたい!
マーチンゲールでどうにか長期間プラス収支を持続させる事は出来ないものか?色々とアイデアを考えてみた。
まず、マーチンゲールなど追い上げの長所と短所についておさらい。
追い上げの長所
追い上げのメリットを思いつくままに書き連ねてみようと思う。
- 当たったら即プラス収支
- 勝ち逃げしやすい
- 短期間なら本当に簡単に勝ちやすい
- 資金が尽きず、オッズが下がらなければマジ必勝法
追い上げの短所
- たくさん連敗するとダメ
長所を活かし短所を補うには?
上記のような長所・短所があると言う事は、
- 試行回数(参加レース数)を極端に減らす
- 賭け金を極限まで抑えるため、限界まで小さい金額からスタートする
- オッズの変動が起きにくい売上の大きいレースだけ参加する
- とにかく高的中率をキープする
この4点が重なりあうゾーンであれば、 過去のマーチンゲールの研究結果も無駄になりづらいだろうなと考えた。
上記4点の全てを満たすのにぴったりの条件があって、それはJRA平地G1の複勝馬券。
- 参加するのはJRA平地G1レースのみ
- 毎年荒れてたり外国馬が多いレースは見送り
- 賭け金は100円からスタートする
- 主観的に考えて最も勝つ確率が高い馬の複勝を買う
- 3着なら…と言う馬ではなく、圧勝できる馬を買う
このような極端に試行回数を絞る方法をとる事で、短期間を勝ち抜くための投資競馬の手法で、 「勝ち組でいられる期間を長くする」と言う事が実現できるかもって考えた。
当然これは大きな利益を継続して求めるには不向きで、ましてや過去の負け分を取り返すような 大きな話には決してならない。
ただ単に「俺、G1しかやんないけど、年間収支プラスなんだよね」というセリフを言いたいだけの人に向けたアイデアと言えるかもね。
追い上げでも均等買いでも重要な事
マーチンゲールの追い上げ的な馬券術をするにしても、均等買いをするにしても、 どちらにしても重要になってくるポイントが1つある。
それは、投資する買い目が「均等買いした場合に高い回収率を維持できるかどうか」と言う事。 ちょっと以下で詳しく説明するね。
仮に、2.0倍の馬券を45%の的中率で当てられるAさんと、 1.8倍の馬券を45%の的中率で当てられるBさんがいたとする。
二人とも的中率は同じですが、的中できるオッズに少し差があるため、 均等買いした時には回収率にも違いが出てくる。
Aさんは均等買いすると2.0×45=90%の回収率が見込めます。 一方Bさんは均等買いすると1.8×45=で81%の回収率が見込める。
ではこの2人がそれぞれ追い上げをするとどうなるか表を見ると…
試行回数 | 2.0倍 | 1.8倍 |
1 | 100 | 100 |
2 | 200 | 200 |
3 | 400 | 400 |
4 | 800 | 900 |
5 | 1600 | 2000 |
6 | 3200 | 4500 |
7 | 6400 | 10200 |
8 | 12800 | 22900 |
9 | 25600 | 51500 |
10 | 51200 | 115900 |
4レース目あたりから金額に違いが発生し、その後8レース目あたりから1回の賭け金が倍ぐらい違ってくるんだよ。
このように均等買いで買うにしても追い上げ投資競馬にするにしても、結局「高い的中率で、少しでも高いオッズを的中させる」のが競馬で勝つ(または損を減らす)ためには非常に重要なポイントなんだよね。
均等買い時の回収率がたった9%違うだけで何倍ものお金が必要になってくるから、買い目の決定プロセスってすごく大切だと思う。
G1の複勝馬券でマーチンゲール
JRAプラス10のおかげで従来だったら100円元返しになっていたはずのレースの内9割が 110円もらえるレースに変わった。
つまり「本来より余分に配当がもらえるレース」だと言えるよね。
先程も言ったように競馬で勝つ(または損を少なくする)には「出来るだけ高い的中率で、少しでも高いオッズをもらえる」事が重要だから、「余分にもらえるシステム」であるJRAプラス10により、G1限定の複勝投資競馬のアイデアを思いついたわけ。
早速実践
G1限定投資競馬を実践するにあたり、賭け金の設定を話しておきます。 狙うのは主に1番人気あたりの堅い馬になると思うし、JRAプラス10が適用されるような1.1倍の ケースが圧倒的に多数になる。
なので、仮に100円の負けを1.1倍で取り返そうとしたら10倍の千円を賭ける必要があります。 その次は1万1千円で、その次は12万1千円ですから、まぁそれ以上は追いかけないとすると4連敗すると終了と言う事に。
考えてみれば本来1.0倍が適正なくらいの馬券は外れるよりも当たる確率の方が高いので、 それなら1回の的中で全て取り返さず、2回の的中で取り返すようにした。
賭け金のルール
と言うわけで
レース | 賭け金 |
---|---|
1 | 100 |
2 | 500 |
3 | 3,000 |
4 | 18,000 |
5 | 108,000 |
上記のような順番で賭け金を設定してみる。
要するにハズレたら賭け金は損失累計の5倍にして、1.1倍を2連続で当てるか、1.2倍が当たればリセットというシンプルな買い方。
これをわし方程式と名付けました。
買い目決定のルール
- 参加するのはJRA平地G1レースのみ
- 毎年荒れてたり外国馬が多いレースは見送り
- 賭け金は100円からスタートする
- 主観的に考えて最も勝つ確率が高い馬の複勝を買う
- 3着なら…と言う馬ではなく、圧勝できる馬を買う
2013年以降のG1でシミュレーション
2013年
レース名 | 投資 | 払戻 | 収支 |
フェブラリーS | 100 | 0 | -100 |
高松宮記念 | 500 | 550 | -50 |
桜花賞 | 500 | 0 | -550 |
皐月賞 | 3000 | 4200 | +650 |
天皇賞(春) | 100 | 0 | +550 |
NHKマイルC | 500 | 0 | +50 |
ヴィクトリアM | 3000 | 4500 | +1550 |
優駿牝馬 | 100 | 150 | +1600 |
東京優駿 | 100 | 160 | +1660 |
安田記念 | 100 | 200 | +1760 |
宝塚記念 | 100 | 120 | +1780 |
スプリンターズS | 100 | 110 | +1790 |
秋華賞 | 100 | 0 | +1690 |
菊花賞 | 500 | 550 | +1740 |
天皇賞(秋) | 500 | 550 | +1790 |
エリザベス女王杯 | 100 | 0 | +1690 |
マイルCS | 500 | 700 | +1890 |
ジャパンC | 100 | 110 | +1900 |
ジャパンCダート | 100 | 110 | +1910 |
阪神JF | 100 | 120 | +1930 |
上記の表では各レースの参加不参加の検証もせず、全てのG1で単勝1番人気の複勝馬券を買った場合の検証結果。
なんと皐月賞終了から阪神ジュベナイルフィリーズまで「俺の今年の年間収支プラスだぜ!」と友達に自慢できるほどの結果となりました。
残るG1競走は「朝日杯フューチュリティS」と「有馬記念」の2つだけなので、ここから2連敗しても支出は最大600円だから、 プラスを確定させて終了。
無事年間収支プラスと言う目標を達成。
2014年
レース名 | 投資 | 払戻 | 収支 |
フェブラリーS | 100 | 140 | 40 |
高松宮記念 | 100 | 140 | 80 |
桜花賞 | 100 | 110 | 90 |
皐月賞 | 100 | 150 | 140 |
天皇賞(春) | 100 | 0 | 40 |
NHKマイルC | 500 | 700 | 240 |
ヴィクトリアM | 100 | 0 | 140 |
優駿牝馬 | 500 | 550 | 190 |
東京優駿 | 500 | 700 | 390 |
安田記念 | 100 | 110 | 400 |
宝塚記念 | 100 | 170 | 470 |
スプリンターズS | 100 | 0 | 370 |
秋華賞 | 500 | 550 | 420 |
菊花賞 | 500 | 0 | -80 |
天皇賞(秋) | 3000 | 3900 | 820 |
エリザベス女王杯 | 100 | 140 | 860 |
マイルCS | 100 | 0 | 760 |
ジャパンC | 500 | 0 | 260 |
チャンピオンズC | 3000 | 0 | -2740 |
阪神JF | 18000 | 0 | -20740 |
朝日杯FS | 108000 | 205200 | 76460 |
有馬記念 | 0 | 0 | 76460 |
結構ギリギリの感じですが、それでも年間プラス収支2年目を達成。この年も全G1を、吟味する事無く単純に1番人気を買い続けてこの結果。
2015年
なんと高松宮記念からヴィクトリアマイルまでの6戦で1番人気は3着にも入らず、やはりマーチンゲールの弱点である連敗につかまってしまいました。
ただ当初言っていたルール、
- 参加するのはJRA平地G1レースのみ
- 毎年荒れてたり外国馬が多いレースは見送り
- 賭け金は100円からスタートする
- 主観的に考えて最も勝つ確率が高い馬の複勝を買う
- 3着なら…と言う馬ではなく、圧勝できる馬を買う
赤色文字にした3条件については無視してここまで検証して来たから、上記のルールをきっちり守っていれば、レースや買い目が厳選されて、プラス収支は余裕。
2016年
なんのピンチもなく順調にコンスタントに1番人気は3着以内に入りプラス収支に。
2017年
この年もそれほどピンチなく1番人気は3着以内に入りプラス収支達成。大阪杯やホープフルステークスがG1に昇格となり、G1レースが増えたのはこの試みにとってはあまり良い傾向とは言えないね。
2018年
この年は通常は地方競馬で行われているJBC競走が京都競馬場で行われた事により、前年よりさらにG1レースの数が増えてしまったけど、それでも1番人気はコンスタントに3着以内に入ってピンチなくプラス収支に。
2019年
この年も厳格にレースや買い目を厳選しなくても、単勝1番人気を買っているだけで、コンスタントに3着以内に入っていてプラス収支達成。
真の意味で長期間勝ち続けるには…
検証結果からわかるように、最初に言った5つの買い目決定ルールを守っていれば、7年間も収支プラス状態を維持出来ているという事。
「競馬で7年間ずっと勝ってるぜ!」
という自慢話の種にはなるかと。
先程、マーチンゲールであっても、均等買いであっても「均等買いした時の回収率は重要」と言う話をしたよね。
マーチンゲールをするにしても均等買いであっても、勝利を得るためにはいずれにしても「均等買いした時の回収率」を 上げていかなければ勝利は手に入らない。
そして、「均等買いした時の回収率」をどんどん高めて行くと、 最終的には「均等買いしたら回収率105%になるよ俺」みたいな状態まで行くかも知れない。
ここからが重要なポイントで、均等買いして回収率が100%を超えるのであれば、マーチンゲールのような不調時に一気にパンクが訪れるような方法ではなく、コツコツ均等買いでその100%以上の回収率を維持していれば、お金はどんどん増えていくんだ。
だから最終的にマーチンゲールなど追い上げ手法を卒業するためにも、逆に、追い上げじゃなきゃ嫌なんだと言う人にも、 結局「均等買いした時に高い回収率を誇る買い目の出し方」と言うのは最重要ポイントとなります。
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追伸
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